株式会社タイムカプセル 喜多川泰 [本]
株式会社タイムカプセル社
十年前からやってきた使者
喜多川泰
主人公新井英雄が会社経営から倒産、
就職難民のところから始まります、
藁にも縋る思いで飛びついた会社がタイムカプセル社、
何をする会社かも分からず即採用で飛び込んでいくのですが、
そこで仕事を教えてくれるのが歳が二回りも下の吉川海人、
その年下の上司のもとタイムカプセル社の仕事をしていくのですが、
タイムカプセル社が扱う商品は手紙、
社名の通りタイムカプセルに入ってる様な手紙です、
その手紙は10年後とか15年後の自分に届く様に本人が自分に書いた手紙です、その手紙をタイムカプセル社が預かって指定された期限に送るのですが、
受け取り人不在などで戻って来る事も有ります、
そこでその手紙の受け取り人を探し出し、届ける仕事が英雄たちの仕事です、
慣れない仕事に戸惑いながら上司の海人に着いて行くのですが、
その仕事はただの配達では無い事を知ります、
それを見た英雄はその仕事にのめり込んで行きます、
英雄はちゃんと配達出来るのでしょか、此処からのお楽しみは本で読んで下さい。
いつもながら喜多川泰さんの作品は勉強させられます、
物語もおもしろいのですが感慨深いというか、勉強させられるというか、
私は勉強が大嫌いで大人になるまで勉強と言う事はしませんでした、
大人になって免許とか資格とかを取る為に勉強をするようになりましたが、
それは大きな間違いだと思っています、
それは勉強しなかったことと、学校で習うことが勉強だと思ってたことです、
学校で習うことは大切な事ですが、
それが全てではないという事です、
全てというのは全てが勉強だという事です、
手紙屋蛍雪編では学校の勉強は最低限やるべきものだ、
そして、勉強が嫌いだと言って勉強しなくても自分は困らない、
困るのは周りの人達だ、と言うフレーズに心打たれてしまいました、
確かに言葉の通り勉強しない自分は周りの人を少なからず不幸にしてきた思いもあります、
そして失敗を繰り返し生きて来たから今の自分が有るのかとも思いますが、
生きていく全ての事が勉強だから、
上手く行くこともあれば、失敗することも有るでしょう、
むしろ失敗することの方が多いと思います、
その失敗をする事が大事だと、
まさに勉強です、
学校でする勉強は嫌いでしたが自分から進んで学ぶ事、
喜多川さんのおかげで勉強と言う言葉が好きになりました、
賢者の書から15年後に書いたタイムカプセル社とても素敵な作品でした、
これからも心に響く良い作品を期待したいと思います。
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